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労働

相鉄が転籍に応じなかったバス運転士らに草刈りや清掃など命じる(2017.11.01更新-17度目の勧告無視で71名)
2016-06-28
問われる相鉄経営の倫理観
私たちは相鉄のブラック企業化を許さない
 
相鉄が組合員に子会社への「転籍」を提案
応じなかったバス運転士らに草刈りや駅清掃など命じる
 
相鉄は2010年、バス事業の収支を改善するため、それまで相鉄と子会社の相鉄バス㈱の2社で行っていた路線バス事業を相鉄バス㈱一社に統合することを組合に提案しました。 相鉄に入社してバスの運行に携わってきた者は相鉄バス㈱に在籍出向とし、労働条件の差異を補填する案でした。 労働条件差異の補填をしても、相鉄からの出向者は定年退職によって漸減、相鉄バス㈱採用者に置き換えることで長期的に収支改善効果があると説明しました。
組合は相鉄バス㈱の労働条件引き上げなどを求めて労使協議を重ねた結果、合意に至り、2010年10月より相鉄バス㈱一社での運行がはじまりました。
 
しかし相鉄は2014年春、労使合意により相鉄バス㈱に出向して働く組合員に、出向先である相鉄バス㈱への転籍を提案。「転籍者には退職加給金を支払う」とする反面、「転籍に応じなければバスの仕事をさせない」との内容でした。 組合は「3年半前の労使合意を反故にする提案」「仕事を取り上げるのは事実上の転籍強要であり認められない」などとして抗議しました。 相鉄は、団体交渉の回数だけは重ねるものの、私たちの主張をいっさい聞きいれることなく、労使合意もないまま提案内容をスケジュールどおり、一方的に実行しました。
 
その結果、「転籍ではなく労使合意どおり相鉄バス㈱に出向して働き続けたい」と意思表示をした組合員は75名にのぼりましたが、相鉄は転籍に応じなかったことを理由に次々とバスの仕事からはずし、2016年6月28日現在、バス運転士18名に草刈りや駅の清掃、チラシのポスティングなどを命じています。※相鉄はその後も転籍に応じなかったことを理由に次々と組合員をバスの仕事から外し、2017年11月1日現在、71名にのぼっています。
 
私たちは、労使合意を無視し、本人の同意がないまま一方的にバスの仕事を取り上げる相鉄の労務政策に強く抗議し、「相鉄バス㈱に出向して働く」という2010年の労使合意を守るよう求めています。 バスの運転、整備、運行の仕事があるのに、転籍を断ったことを理由として、長年培ってきたスキルと無関係の仕事を命じることは、社会問題となっている「追い出し部屋」と同じです。 交通事業者として第一義とすべき安全上の懸念も払拭できません。
 
 
相鉄が労働委員会「勧告」も無視・・・ 組合が横浜地裁に提訴
私たちは神奈川県労働委員会に対して「不当労働行為の救済」を申し立てました。 労働委員会も2016年4月、相鉄に対して「労使協議を誠実に行うこと」「バス運転業務に戻すこと」「相鉄バス㈱への出向を継続すること」などを盛り込んだ実効確保の措置勧告を出していますが、相鉄はこれをも無視し、次々と組合員に草刈りや駅の清掃などを命じています。
私たちは2016年6月24日、横浜地方裁判所に対して、相鉄ならびに代表取締役社長を提訴しました。 こうしたブラック企業さながらの暴挙を黙認すれば、地域、産業を超え、働く者全体に波及することは明らかです。
働く者の権利を守るために、みなさまのご支援とご協力をお願いします。
 
◆経過の概要を記載したチラシは、ファイル名をクリックしてください(PDFファイルです)。
◆相鉄が労働委員会の要望や勧告に反して、バス運転士らに清掃や草刈りなどの業務を命じた人数等の推移は次のとおりです。
 
2015年8月          神奈川県労働委員会が「復職命令を行わない」ことを相鉄に要望
神奈川県労働委員会の公益、使用者、労働者の三者委員が「当分の間、(出向継続を求める者の)復職を行わないよう」相鉄に要望を出し、不当労働行為の審査と並行して和解の可能性について労働委員会、使用者委員、労働者委員立ち合いの協議が進められる。
2016年4月16日  相鉄が労働委員会要望を無視、6名に草刈りや清掃などを命じる
不当労働行為の審査、和解の可能性を探る立ち合い協議の渦中にもかかわらず、相鉄が出向継続を求める75名中、6名の運転士に、相鉄へ復職したうえで草刈りや駅の清掃作業などを行うよう命じる。
 
2016年4月27日  労働委員会が相鉄に”出向継続”を「正式勧告」も、経営側が無視
神奈川県労働委員会は、三者委員の要望を無視する相鉄に対して、「労使協議を誠実に行うこと」「4月16日に復職を命じた者をバス運転業務に戻すこと」「その他の者についても相鉄バス㈱への出向を継続すること」などを盛り込んだ「実効確保の措置勧告」(正式勧告)を行うが、相鉄はこれを無視し応じず。
 
2016年5月16日  相鉄が再び「勧告」を無視 草刈り、駅清掃など計12名
相鉄が再び労働委員会勧告を無視。さらに出向継続を求める6名の運転士に、相鉄へ復職したうえで草刈りや駅の清掃作業などを行うよう命じる。強制的にバスの仕事を奪われた者は計12名となった。
 
2016年6月16日  相鉄が3度目の「勧告」無視 草刈り、清掃など強制復職者は18名に
相鉄が3度目の労働委員会勧告無視。さらに出向継続を求める6名の運転士に、相鉄へ復職したうえで草刈りや駅の清掃作業などを行うよう命じる。強制的にバスの仕事を奪われた者は計18名に。
 
2016年6月24日 組合が横浜地方裁判所に提訴
組合が相鉄の命じる復職義務が存在しないことの確認などを求め、相鉄(相鉄ホールディングス㈱)ならびに同社取締役社長を提訴。(横浜地方裁判所)
 
2016年7月1日   相鉄が4度目の「勧告」無視 強制復職者は19名に
相鉄が4度目の労働委員会勧告無視。さらに出向継続を求める1名の本社員に、相鉄へ復職したうえで草刈りや駅の清掃作業などを行う部署への配置転換を命じる。強制的にバスの仕事を奪われた者は計19名に。
 
2016年7月16日  相鉄が5度目の「勧告」無視 強制復職者は22名に
相鉄が5度目の労働委員会勧告無視。さらに出向継続を求める3名の運転士に、相鉄へ復職したうえで草刈りや清掃、チラシ配布作業などを行う部署への配置転換を命じる。強制的にバスの仕事を奪われた者は計22名に。
 
2016年8月16日   相鉄が6度目の「勧告」無視 強制復職者は24名に
相鉄が6度目の労働委員会勧告無視。さらに出向継続を求める2名の運転士に、2016年8月16日付で相鉄へ復職させ、草刈りや清掃、チラシ配布作業などを行う部署への配置転換を命じる。強制的にバスの仕事を奪われた者は計24名に。
 
2016年9月16日   相鉄が7度目の「勧告」無視 強制復職者は31名に
相鉄が7度目の労働委員会勧告無視。さらに出向継続を求める7名の運転士に、2016年9月16日付で相鉄へ復職させ、草刈りや清掃、チラシ配布作業などを行う部署への配置転換を命じる。強制的にバスの仕事を奪われた者は計31名にのぼったが、2016年10月1日付で1名が都合により配置転換を受け止める意向を示した。出向継続を求める組合員は74名、強制的にバスの仕事を奪われ異議を申し立て中の組合員は30名となった。
 
2016年10月16日   相鉄が8度目の「勧告」無視 強制復職者は35名に
相鉄が8度目の労働委員会勧告無視。さらに出向継続を求める5名の運転士に、2016年10月16日付で相鉄へ復職させ、草刈りや清掃、チラシ配布作業などを行う部署への配置転換を命じる。強制的にバスの仕事を奪われた者は計35名に。
 
2016年11月16日   相鉄が9度目の「勧告」無視 強制復職者は37名に
相鉄が9度目の労働委員会勧告無視。さらに出向継続を求める2名の運転士に、2016年11月16日付で相鉄へ復職させ、草刈りや清掃、チラシ配布作業などを行う部署への配置転換を命じる。強制的にバスの仕事を奪われた者は計37名に。
 
2016年12月16日   相鉄が10度目の「勧告」無視 強制復職者は39名に
相鉄が10度目の労働委員会勧告無視。さらに出向継続を求める2名の運転士に、2016年12月16日付で相鉄へ復職させ、草刈りや清掃、チラシ配布作業などを行う部署への配置転換を命じる。強制的にバスの仕事を奪われた者は計39名に。
 
2017年1月16日   相鉄が11度目の「勧告」無視 強制復職者は43名に
相鉄が11度目の労働委員会勧告無視。さらに出向継続を求める4名の運転士に、2017年1月16日付で相鉄へ復職させ、草刈りや清掃、チラシ配布作業などを行う部署への配置転換を命じる。強制的にバスの仕事を奪われた者は計43名に。
 
2017年5月16日   相鉄が12度目の「勧告」無視 強制復職者は46名に
相鉄が12度目の労働委員会勧告無視。さらに出向継続を求める3名の運転士に、2017年5月16日付で相鉄へ復職させ、草刈りや清掃、チラシ配布作業などを行う部署への配置転換を命じる。強制的にバスの仕事を奪われた者は計46名に。
 
2017年6月16日   相鉄が13度目の「勧告」無視 強制復職者は56名に
相鉄が13度目の労働委員会勧告無視。さらに出向継続を求める10名の運転士に、2017年6月16日付で相鉄へ復職させ、草刈りや清掃、チラシ配布作業などを行う部署への配置転換を命じる。強制的にバスの仕事を奪われた者は計56名に。
 
2017年7月16日   相鉄が14度目の「勧告」無視 強制復職者は58名に
相鉄が14度目の労働委員会勧告無視。さらに出向継続を求める2名の運転士に、2017年7月16日付で相鉄へ復職させ、草刈りや清掃、チラシ配布作業などを行う部署への配置転換を命じる。強制的にバスの仕事を奪われた者は計58名に。
 
2017年9月16日   相鉄が15度目の「勧告」無視 強制復職者は63名に
相鉄が15度目の労働委員会勧告無視。さらに出向継続を求める5名の運転士に、2017年9月16日付で相鉄へ復職させ、草刈りや清掃、チラシ配布作業などを行う部署への配置転換を命じる。強制的にバスの仕事を奪われた者は計63名に。
 
2017年10月16日   相鉄が16度目の「勧告」無視 強制復職者は70名に
相鉄が16度目の労働委員会勧告無視。さらに出向継続を求める7名の運転士に、2017年10月16日付で相鉄へ復職させ、草刈りや清掃、チラシ配布作業などを行う部署への配置転換を命じる。強制的にバスの仕事を奪われた者は計70名に。
 
2017年11月1日   相鉄が17度目の「勧告」無視 強制復職者は71名に
相鉄が17度目の労働委員会勧告無視。相鉄は介護のために休職中で、介護終了後には相鉄バス㈱への出向継続を求めていた1名の運転士に、2017年11月1日付で相鉄へ復職させ、草刈りや清掃、チラシ配布作業などを行う部署への配置転換を命じる。強制的にバスの仕事を奪われた者は計71名に。社内規則でも、介護休職終了後の復職について「原則として休職前の職種と同種」と定めている。
 
以 上 2017年11月1日現在
 
2016年 6月28日初版掲載
2017年11月1日最終更新
相模鉄道労働組合
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